デザインだけではない「マンホールの蓋」

21世紀の趣味?「デザイン・マンホール」

 最近「デザイン・マンホール」という言葉を聞くようになりました。日本の自治体では、マンホールの蓋に意匠をこらして、その地域のシンボルや特産品のデザインを施しています。そのため、鑑賞目的でこれらを写真に収める「収集家」が増えているそうです。映画「ローマの休日」で有名な「真実の口」も元々はマンホールの蓋という説がありますので、人間は今も昔もそう変わらないことをしているみたいですね。大都市比較統計年表(平成25年)によれば、東京都区部には約48万、横浜市には約53万のマンホールがあると推計されています。

「マンホールの蓋」の標高が分かる?!

 この「マンホールの蓋」の標高(海抜)が分かるということはご存知でしょうか?

市町村は下水道法の規定により「下水道台帳」を作成しています。この「下水道台帳」では、下水管の埋設状況(下水管の位置・深さ・管径・管種・公共ますの位置等)が分かるようになっており、「マンホール情報」として地盤高(マンホールの蓋の標高)・施設番号・工事番号が記載されています。

近年「下水道台帳」を、ネット上で公開している自治体もあり、「マンホールの蓋」の標高をミリ単位で確認することができます。

高低差のある土地の相続税評価額

 税理士もたまに、この「マンホールの蓋」の標高(地盤高)を参考にすることがあります。土地の評価の実務においては、「周辺の土地よりも高低差がある宅地」は「利用価値の著しく低下している宅地」として評価額を減額します。具体的には盛土をして擁壁を設ける等をしている「道路よりも高い宅地」や「坂の途中にある宅地」などです。

このような宅地の「高低差」を知りたいときや、測量を行う前にざっと概況を知りたいときには、「こことここのマンホールの蓋の地盤高の差はこれくらいか…」と参考にするのです。裁決事例などでは①「評価対象地だけ」が周辺の土地よりも「1m以上」の高低差があるか、②路線価に高低差による減価が反映されているか、③高低差が評価対象地の一部だけの場合は、高低差のないところから通常利用できるかが評価減のポイントとなっているようです。

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